原子番号78の元素。元素記号は Pt。白金族元素の一つで学術用語としては白金(はっきん)が正しい名称ですが、日本の日常語としてはプラチナと世間一般では呼ばれており、ホワイトゴールドとは異なる合金です。
単体では、白い光沢を持つ金属として存在し、化学的に非常に安定であるため、装飾品に多く利用されているほか、自動車の排気ガスの浄化の触媒としてや温度計の熱電対としてなど多方面で使用されています。
酸に対して強い耐食性を示し、金と同じく王水以外には溶けないことで知られています。
プラチナは希少性の高い金属(レアメタル)として有名ですが、そのプラチナの名前の由来を皆さんご存知でしょうか?
じつはプラチナはスペイン語で、小粒の銀の愛称であるplatina(プラチナ)からきています。
1735年、スペイン人の海軍将校が南米コロンビアのピント川で白い金属を発見。
この金属をスペイン語で「銀」という意味のプラタと、小粒という意味のデルと、ピント川のピントから「プラタ・デル・ピント」=ピント川の小粒の銀と名付け、これが現在のスペイン語のplatinaとなり、日本語の外来語プラチナになりました。
つまりプラチナの意味とは外観が銀に似ていることに因んだ呼び名なのです。
プラチナの産出ランキング
①南アフリカ(74.8 %)
②ロシア (16.8 %)
③カナダ(3.3 %)
④ジンバブエ (2.1 %)
⑤4,040 アメリカ合衆国(1.9 %)
⑥1,400 コロンビア(0.7 %)
世界産出計 214,000 kg
2位以下を大きく引き離し、南アフリカが世界最大の産出国となっています。
主な産出国は南アフリカとロシアで地殻1トン当たり0.001gしか産出されないため数あるレアメタルの中でも非常に希少な金属です。
日本でも僅かではありますが北海道で埋蔵されていることが確認されています。
有史以来、人類が発掘したプラチナの総量は約5,100トン。金と比べ30分の1以下しか産出されていないため、プラチナがいかに希少な金属であるかがうかがえます。
現存するプラチナ製品で歴史最古といえば紀元前720年から紀元前659年頃の古代エジプトの第18王朝時代にファラオの装身具として僅かながらに使用されていた通称「テーベの小箱」で、テーベにある女性神官シェペヌペットの墓より出土した小箱で、現在はルーブル美術館にて収蔵されています。
輝き
白金と言われているように、プラチナは白く輝くことが最大の特徴です。
変化しにくい
プラチナは丈夫であるため変色や変質がしにくいです。
汗などによって変色する心配も少なく、よく結婚指輪などに使用されています。
王水以外では溶けない
金属は主に塩酸や硝酸、硫酸などに溶けるという性質を持っていますが、プラチナは硝酸と塩酸を混ぜてできる王水にしか溶けません。
耐熱性
上記でも説明したように、融点が高いため耐熱性に優れています。
価値が高い
プラチナはどこでも取れるわけではなく、ごく一部の限られた場所でしか産出できないので、非常に価値が高いです。
加工しづらい
プラチナは純度が高いほど価値は上がりますが、傷はつきやすくなります。
そのため、高いデザイン性を求めるのであれば純度が少し低くなってしまいます。
密度
金の密度が19.3g/㎤に対し、プラチナは21.45g/㎤と高いです。
これは自然界に存在する元素の中では最も高いことを表しています。