ゲーム機(ゲームき)とは、ビデオゲーム(コンピュータゲーム)を動作させるための装置の総称。ゲーム用のハードウェア全般。あくまで総称なので、家庭用ゲーム機やアーケードゲーム機、(もっと素朴な)任天堂のゲーム&ウオッチや(初期の)たまごっちなどもゲーム機であり、さらに言うとビデオゲームをプレイするために使われている状態のPC(パーソナルコンピュータ)も、ゲーム専用機ではないが、ゲーム機の一種である。とは言え世の中に普及している台数の比率の影響で、子供などが漠然と「ゲーム機」と言う場合は「家庭用ゲーム機」を指すことが多くなっている。
総称でゲーム機と呼ばれるものには、アーケードゲーム機、家庭用ゲーム機、電子ゲーム、パーソナルコンピュータなどがある。それぞれがさらに下位分類されている。→種類・分類
アーケードゲームとして最初に成功した製品はアタリ社が1972年に登場させた『ポン』である。その後続々とアーケードゲーム機が登場。特に1978年にはタイトーが『スペースインベーダー』を開発、好評を博し、世界各地でゲームセンターが作られ、タイトーのアーケードゲーム機が設置されることになり、ゲームを産業として確立させた。インベーダーゲームのヒットを目の当たりにして、そのゲーム機を模倣したアーケード機も製造する会社も多数登場した。このインベーダーゲームのゲーム機と、その後タイトーがとったやりかたで、新しいゲームをプレーヤーに提供する場合は、一番外側の筐体はそのままに、内部のメモリ(メモリボード)を交換する形で、そして必要に応じてグラフィックボードも交換することで、あらたなゲームが動くゲーム機に仕立てる、という方式が広まっていった。
一方、アーケードゲームを家庭で手軽に楽しむため最初期の家庭用のゲーム機が登場したが、初期の家庭用ゲーム機は初期のアーケードゲーム同様にワイヤードロジックで構成されていたため、「1ハード1ゲーム」つまりひとつのゲーム機ではひとつのゲームしか遊べない状態で、あるいはせいぜい複数のゲームをスイッチで切り替える方式だった。その欠点を解消するために、1977年に登場したAtari 2600ではカートリッジでプログラムを交換する方式を導入し、ヒット機となった。
1980年代から1990年代前半にかけて、多くのメーカーによってゲーム機が開発・発売された。この時期に主要ゲーム機を販売していたのは任天堂、セガ、日本電気ホームエレクトロニクスであり、1983年に任天堂から発売されたファミリーコンピュータはカートリッジ方式(カセット方式)を採用し、サードパーティーにライセンス方式でソフトウェアの製造をさせ、価格を安価に設定した上に、多くのソフト開発会社から良質のゲームソフトが続々と発売された。結果的に累計販売台数は1991年3月末時点までに約1,600万台に達した。
1994年にソニーコンピュータエンタテインメント(SCE。現:ソニーインタラクティブエンタテインメント(SIE))のPlayStationが市場に参入してからは、任天堂とセガ、SCEの3強による寡占状態へとなっていった。
2000年代になるとセガがゲーム機開発から撤退し、2001年にマイクロソフトがXboxで市場に参入して以降は任天堂とSCE、マイクロソフトの3強状態が続いている。
パーソナルコンピュータ
パーソナルコンピュータ(ホームコンピュータ)機では、1970年代から1980年代前半にかけて8ビットCPUのコンピュータが、Apple II、Commodore PET2001、タンディ TRS-80など次々と登場し、それぞれのマシンのユーザがそれらをゲーム機として使った。特に1982年に発売されたCommodore 64(略称 C64)は安価によりアメリカの家庭に普及し、累計で1994年4月までに1700万台の販売を記録した。このC64は、各家庭でゲーム機として使われ、普及台数が多かったのでゲームソフトを開発する会社も数多く、1300種類以上のゲームソフトがC64のために制作・販売された。
パーソナルコンピュータの中でも「ホビーパソコン」と分類されたものは、「ホビー」用つまり趣味的な用途のものであり、ゲーム用のコンピュータとして使われた。日本の企業群から共通規格で販売されたMSXもゲーム機として利用された。
その後、2004年に発売されたPSPはゲームだけに留まらない多機能さにより、「ゲーム機という線引きが曖昧になっている("ゲーム機"が消える)」と指摘され、2000年代後半からはスマートフォンが普及し始めたことで、スマートフォン内にゲームアプリをダウンロード・インストールすることで、一種の携帯型の高性能ゲーム機としても使うことが広く一般化している。
種類・分類
当記事の最初で説明したように、ゲーム機には以下のような種類がある。
家庭用ゲーム機(家庭用ゲームコンソール。本記事前半で詳説)
電子ゲーム(主にLSIチップによって動作する装置。任天堂のゲーム&ウオッチシリーズや(初期の)たまごっちなど)
アーケードゲーム機(いわゆる「ゲームセンター」などに設置されるゲーム機のこと。ゲームセンターなどの経営側が、業務(商売)のために使うゲーム機なので「業務機」とも)
ゲームをプレイするために使われる状態になっている(汎用の)パーソナルコンピュータ
分類方法はさまざまであるが、たとえば以下のように分類する方法がある。
家庭用ゲーム機の下位分類
家庭用ゲーム機の下位分類としては、以下のような大分類をされることがある。
「据置型(すえおきがた)」とは特定の位置に設置して使用される前提で設計されている機器・装置のことであるので、「据置型ゲーム機」というのは、特定の位置に設置して使用されることが前提で開発されたゲーム機のことである。一般に、家庭に置かれているテレビ受像機に繋いで使うことを前提に設計されている。それに対して「携帯型ゲーム機」というのは、携帯していろいろな場所でプレイすることを前提として開発されたゲーム機のことであり、携帯可能な大きさ・重さになるように設計されたゲーム機であり、一般に小型の画面を備える。ただし、以前は「据置型ゲーム機 / 携帯型ゲーム機」の線引きがかなりはっきりしていたのだが、近年では、あえてそれらの境界領域を狙って、それ自体に小型の画面を備えていて携帯して遊ぶこともできながら家庭用の大型テレビに接続し大画面でプレイもできる機種、あるいはドッキングステーションのようなものに接続することでそれを実現するものなども開発され、それらの機種も相当な販売台数になっているので、「据置型ゲーム機 / 携帯型ゲーム機」という分類は以前に比べるとやや曖昧になっている。
家庭用ゲーム機は、時代とともにそのアーキテクチャや性能の水準が変化してきており、複数のメーカーによって開発・製造されているにもかかわらず、大まかに言うと時代ごとにある種の類似性でまとめることができるので、第一世代、第二世代...などと、世代(generation)で分類するということが広く行われている。据置型で顕著であるが、携帯型ゲーム機についても同様の分類がされることがある。
アーケードゲーム機の下位分類
アーケードゲーム機は、下位分類としては、以下のように大分類されることがある。
ビデオゲーム用アーケードゲーム機 / エレメカ
ビデオゲーム用のアーケード機は筺体のタイプで以下のように大分類されることがある。
アップライト筐体(型) / テーブル筐体(型) / プロジェクタ筐体(型)
アップライト型(筺体)というのはプレーヤが立った状態でプレイするアーケード機であり、テーブル型(筺体)というのはゲーム機がテーブルのような形をしており、プレーヤは椅子にこしかけてテーブル状マシンの上面の画面をのぞきこみ、マシン側面にあるレバーやボタンを操作するものである。上の3分類以外にもセミ・アップライトなどの中間的なものもある。特に大きな筺体でできている業務用ゲーム機を大型筺体ゲーム機と分類する方法もある。
また、汎用筺体と専用筺体に分類されることもある。汎用筺体(汎用タイプ)というのは、ソフトウェアやボード類を入れ替えてさまざまなゲームを走らせることができる業務用ゲーム機のことである。それに対して専用筺体(専用タイプ)というのは、ある特定のゲームにしか使えないようなゲーム機であり、たとえば特定のカー・レースゲームに特化して、ハンドル・座席・画面・画面まわりの装飾などを作りこんであって、他のゲームには転用できないようなゲーム機、そのゲームの需要が無くなったら、分解・廃棄処分せざるを得ないようなゲーム機のことである。
ゲームで使われるPC類の下位分類
ゲーム機として用いられている状態のパーソナルコンピュータは以下のように分類することも可能である。
汎用PC / ゲーミングPC
前者は汎用のPC、つまりさまざまな用途に使う目的で設計された汎用のPC(パソコン)に、ゲームソフトをインストールしてプレイしている状態である。「2Dゲーム」など呼ばれる、平面的な、立体視をともなわないゲーム類は汎用のPCで十分に楽しむことができる。一方、「ゲーミングPC」とはいわゆる「3Dゲーム」を(快適に)プレイするために(高速、美麗な)3Dグラフィックスを実現可能な高性能なパーツ類を搭載したPCのことであり、一般には、滑らかで美麗な3D画像を実現するため、高速に無数のポリゴンを描画できるGPU(画像処理ユニット)および特に高速なCPUや大きな主メモリ等を備えたPCのことを指している。
カラーテレビゲーム15 (1977)
カラーテレビゲーム6 (1977)
カラーテレビゲーム レーシング112 (1978)
カラーテレビゲーム ブロック崩し (1979)
カラーテレビゲーム コンピュータTVゲーム (1980)
ファミリーコンピュータ - 初期型の四角ボタンのものなど、いくつかの型がある(1983)
AV仕様ファミリーコンピュータ(ニューファミコン) (1993)
Nintendo Entertainment System - 海外版ファミリーコンピュータ (1985)
NES2 (1993)
ツインファミコン(シャープ)(1986)
スーパーファミコン (1990)
スーパーファミコンジュニア (1998)
Super Nintendo Entertainment System - 海外版スーパーファミコン (1991)
SNES2 - 海外版スーパーファミコンジュニア (1998)
NINTENDO64 (1996)
ピカチュウNINTENDO64 (2000)
iQue Player (2003)
ニンテンドーゲームキューブ - 阪神タイガースモデルもある (2001)
Panasonic Q (2003) ※松下電器(現パナソニック)が発売
Wii (2006)
Wii Family Edition (2011)
Wii Mini (2012)
Wii U (2012)
Nintendo Switch (2017)
Nintendo Switch(新型) (2019)
Nintendo Switch(有機ELモデル) (2021)
PlayStation (1994)
PS one (2000)
PlayStation 2 (2000)
PlayStation 2 Slim (2004)
PlayStation 3 (2006)
PlayStation 3 40・80GBモデル (2007)
PlayStation 3 Slim (2009)
PlayStation 3 Super Slim (2012)
PlayStation Vita TV (2013)
PlayStation 4 (2014)
PlayStation 4 Superモデル (2015)
PlayStation 4 Slim (2016)
PlayStation 4 Pro (2016)
PlayStation 5 (2020)
PlayStation 5 デジタル・エディション (2020)
PlayStation 5 Superモデル
Xbox (2002)
Xbox 360 (2005)
Xbox 360 エリート (2007)
Xbox 360 S (2010)
Xbox 360 E (2013)
Xbox One (2014)
Xbox One S (2016)
Xbox One X (2017)
Xbox One S All Digital Edition (2019)
Xbox Series X (2020)
Xbox Series S (2020)
SG-1000 (1983)
SG-1000II(セガ・マークII)(1984)
セガ・マークIII (1985)
セガ・マスターシステム (1987)
セガ・マスターシステム2 (1989)
メガドライブ (1988)
Genesis - 北米版メガドライブ (1989)
メガドライブ2 (1993)
Genesis (model2) (1993)
メガジェット (1994)
Genesis 3 (1997)
ワンダーメガ (1993)
X'EYE(ビクター) - 北米版ワンダーメガ (1993)
マルチメガ (1994)
Genesis CDX - 北米版マルチメガ (1994)
セガサターン(1994)
セガサターン 白モデル (1996)
Vサターン(ビクター) (1994)
HIサターン(日立) (1995)
ドリームキャスト (1998)